卒業生の売上で涙が出た日。『技術より大切なセラピストとしての本質』

先日、スクールを卒業し、地方でプライベートサロンを開業した生徒さんから、一本のメッセージが届きました。
そのメッセージを読んだ瞬間、私は思わず涙がでそうになりました。
そして、知っているから。お客様が来てくれるありがたさと嬉しさも。
もちろん売上達成という事実は素晴らしいこと。でも、私の心を強く打ったのは、その後の言葉でした。
彼女は、もともとリラクゼーションサロンでの経験がありましたが、技術に自信が持てず、リピート率が低いこと、お客様の悩みに踏み込んだアドバイスができないことに苦しんでいました。
スクール通学中も「技術が完璧じゃないから、稼げないんだ」という呪縛に囚われていたように感じます。
「技術至上主義」の他にある、大切なこと
エステの世界では、「技術こそ全て」という風潮が根強くあります。確かに、高い技術はプロの証です。私も技術練習はとても重視しています。
残念ながら技術を磨いても、なぜか稼げない、リピートされないセラピストは山ほどいます。それは、彼らが「本質」を誤解しているからです。「うまいかどうか」技術レベルを測定するなら、講師や試験、試験管、または技術大会があればそういったところでジャッジしてもらえます。
例えば、美容師さんなら・・・技術がすごい奇抜な髪型(これはこれでテクニックが必要なのですごいことですが)ではなく「自宅で再現できる髪型か、扱いやすいか」「ライフスタイルや希望に寄り添ってくれるか」「滞在時間を心地よく過ごせるか」がリピートの決め手だったりしますよね。
エステも一緒で高度な技術はできるに越したことはないですが、お客様が心地よくトリートメントを楽しめて、そして安全に、結果が出て満足できる、そしてサロンでのおもてなしやセラピストとの会話が心地よいことが、リピートにつながるかもしれません。
そのための技術と知識はもちろん必要ですし、スクールで磨いていただきますが、大事なのはどこまでいっても目の前のお客様。技術の優劣ではなく、お客様に喜んでもらうこと。希望を満たすことです。
努力の方向を変えたら報われることも
冒頭の生徒さんが達成した売上は、技術がうまくなったのもありますが、技術が完璧になったからではありません。彼女が、お客様の悩みを理解し、自分自身の存在を価値として伝えられるようになった結果です。
接客や施術に絶対の正解なんてない。お客様ひとりひとりにとって正解は違うし、その日その日でも違います。
だからこそ、それに対応できる技術と知識、そして「目の前のお客様のことを考える」「考え続ける」ことがエステティシャン、セラピストとして大切なことだと考えています。
↓特典付き!美容講座が気になる、という方はまずは↓
↓未経験からプロになる!フェイシャルエステを学ぶ↓
↓経験者向けの単発レッスン・講座↓
執筆者

永松麻美(ながまつあさみ):東京都世田谷区(下北沢)でエステサロン&スクールSUHADAを運営してるオーナーエステティシャン・エステ講師。サロンは12年目。初心者からエステサロン開業を目指すための技術・知識スクールを運営、卒業生の開業・経営サポートにも携わっている。美容家としてTV・ラジオ・雑誌の美容記事監修・執筆、化粧品や美容アイテムの監修メディア出演もしている。著書に「シワとりパーフェクトブック」「正しい知識がわかる 美肌事典」「キレイかどうかは自分で決める」「表情筋ほぐし」がある。