先日、出張の合間を縫って、仙台で個人サロンを
経営されている卒業生の方とお茶をしてきました。
3年ほど前に私の講習を受けていただいた、
とても一生懸命でお客様思いな印象の残るセラピスト、まほさんです。
お会いして一番驚いたのは・・・・
きっとものすごく・・・お辛かったと思います。
エステティシャンにとって手の怪我は、まさに死活問題です。
生活面の不安だけではなく、大好きな仕事ができないこと、
そしてお客様に迷惑をかけてしまうこと、今後の不安など・・・。
しかし、彼女はその困難な状況でも諦めることなく
よもぎ蒸しなどのメニューをうまく取り入れて、
サロンを続けてこられたそうです。
手の怪我は、私にとっても決して他人事ではありません。
セラピストやエステティシャンなら誰もが気をつけている部分であり、
心のどこかで不安を抱えている部分でもあると思います。
20代30代前半の頃、私は「この仕事は体を壊したら終わり」
「手がダメになったら終わり」と思い詰めていた時期がありました。
確かに日々の行動で「手や体を労る」という
注意は必要ですが、今はもう少し柔軟に考えています。
手が資本のこの仕事を選んで続けているのは、
「手」でしかできないことがあると信じているからです。
同時に、手は「手段の一つ」であるということも理解しています。
怪我の種類によっては、工夫次第で施術を続けられることもあります。
ハンドトリートメントが難しくなれば機械を活用したり、
これまで培ってきた美容知識を活かしてカウンセリングに特化したり、
お客様に貢献する方法は決して一つではないのです。
エステスクールSUHADAでは、技術指導だけでなく、
長期的なキャリア形成についても考えています。
一つの手法に依存するのではなく、多角的なスキルを
身につけることで、どんな状況でもお客様に価値を提供できる
プロフェッショナルを育成したいと考えています。
仙台の受講生の方は、困難を乗り越えて
今も元気にサロンを続けておられます。
彼女の姿を見て、改めて感じたのはエステティシャンの
仕事の本質は「お客様の美と健康に貢献したい」という想いにあるということ。
手が動く限り、やはりハンドの技術は続けたい。
お客様の変化が一番よく分かるのは、直接触れて
感じることができるこの仕事だからです。
しかし、それと同時に、様々な手段でお客様に
貢献できる柔軟性も持ち続けたいと思っています。
エステティシャンとして長く活躍するためには、
技術だけでなく、このような多面的な視点も大切なのではないでしょうか。