どすこいプリン

 

 

先日飲み会の帰りに無償に

プリンが食べたくなり

コンビニに寄りました。

 

そこにあったのが

「どすこいプリン」笑

かなりのビッグサイズでした。

 

私は学生時代

野球をやってたのですが

当時今より10キロ以上体重が重く

「おい、どすこい」って

呼ばれたりしていました。

 

ピチピチのJK時代どころか

ガチムチの力士時代。笑

 

そんな野球部時代プリンが好きで

「いつかバケツいっぱいのプリンが食べたい！」

という夢がありました。

 

ある時、私は女子野球の

トライアウトを受けることになり・・・

 

その時に野球のチームメイトたちが

バケツ・・・まではいかないけど

ボウルいっぱいのプリンを

「トライアウトがんばれ！」

と手作りしてくれました。

 

私の子供みたいな夢を覚えててくれて

叶えてくれたこと・・・

 

そして私の挑戦を応援してくれる

人たちがいることがすごく嬉しくて。

 

当時の私たちは・・・

沖縄の野球初心者の寄せ集めの

弱小野球部。

女子の競技人口は少なく

県内に女子チームは3チームで

硬式野球は公式戦すらない状態。

 

そんな中でも野球にはまり

自分たちなりに

真剣に取り組んで

いつしか私は

 

野球でどこまでできるか試したい

と思うようになりました。

 

そんなときに女子硬式野球の

日本代表を決める

トライアウト開催の知らせが・・・！

 

もう20歳くらいの頃だったけど

野球経験は短くて実績は何ないけど

 

田舎の初心者寄せ集め

9人ギリギリチームの

中の私だったけど・・・

 

それでも

 

「もしかしたら1ミリくらい

可能性あるかもしれない！」

 

という気持ちで挑戦しました。

 

トライアウトの結果は散々で

本当に思い出すのも恥ずかしいくらい

身体能力も運動神経も・・・

まったく通用しなかった。

 

他の参加者に

 

「よくその肩（の弱さ）で

トライアウト来たね」

 

と嫌味を言われる始末。

でもそれが正論でした。

 

女子でも最速130kを

投げる人がいる世界で

私は100kそこそこのスピードで。

 

内野守備だけは

少しは自信があったのに

それも全然ダメで。

 

「もしかしたら」という淡い希望が

なんの夢も残さずに粉々に

砕けったトライアウトでした。

 

だけど・・・

 

トライアウトは惨敗だったけど

自分の中ではトライアウトに

参加するまでの数年間・・・

 

毎日野球のことを考えて

それまでの人生で一番

努力した日々があって・・・

 

やりきった思いがあったから

素直に楽しむことはできても

人に評価される選手になることはできない。

 

「自分の運動選手としての能力はここまで」

 

と、実感することができて・・・

 

1ミリの未練もなく

野球をやめる決心がつきました。

自分の中ではすごく綺麗に

ひとつの夢を諦めることができました。

 

あの時の夢は叶わなかったけど

現実の厳しさにも、自分の無力さにも

打ちのめされたけど・・・

 

それまでがんばってきた経験や

チームメイトとすごした時間は

大きな財産になりました。

 

あの頑張りの日々は

今の自分にも生きてるなと思います。

 

美容サロンに勤めてからも

体力面はガムシャラにがんばれた。

シフトがきつかったって

マッサージもサロンワークも・・・

 

沖縄の炎天下や

ハブに怯えながら（笑）の

走り込みより楽だったから。

 

野球から美容に

手段は大きく変わったけれど

 

自分なりに真剣に頑張った経験は

今も自分の基礎体力になっています。

 

人からしたら

バカな夢だったかもしれないけど・・・

すごく必要な経験だったと思います。

挑戦したら、成功しなくても

学びや気づきが得られるから。

 

実績も能力もない人であっても

夢をもったり、挑戦してもいい。

 

失敗することも、夢を諦めることも

方向転換をすることも

恥ずかしいことじゃない。

 

生きてたら

能力不足を感じることもあるし

夢が叶わないとか

諦めたりする瞬間はある。

 

だけど、叶う夢もたくさんある。

バケツプリンの夢は

みんなに叶えてもらったし・・・

 

運動神経があまり関係ない

美容の仕事は自分の努力次第で

叶えることができるんだから。

 

私は何かを諦めようとか、迷った時に

このときのトライアウトを思い出します。

 

すっぱり、未練なく辞められるか。

 

まだ私には可能性がある

頑張ったら上手くいくかも

 

って気持ちがあるうちは

やりきってない。

まだ、がんばれる自分が

いることを知っている。

 

諦められないって

がんばったらできるかもしれないって

どこかで思ってる状態だから。

 

上手くいかないとき

諦めてしまいたくなったとき

 

やりきった？

もうこれ以上努力しても

伸び代がないって言える？

そこまでやった？

 

って自分に問いかけています。

 

・・・ちなみに

「どすこいプリン」は

買いませんでした。

 

飲み会終わり深夜の40代には

さすがに大きすぎたので

小さめのアイス買って帰りました。

 

これは挑戦から逃げたのではなく

現実を見据えた方向転換です。