素肌を隠したかったあの頃
幼少期はアトピーで、思春期からは
炎症ニキビに悩まされた私。
顔中が真っ赤で、今にも噴火しそうなぼこぼこのニキビ。
ひどい時は、顔中に赤みのない「はだいろ」
の部分が、まぶたくらいしかない状態。
中学生の頃は当然、校則で化粧はNG。
顔を隠したくて前髪を伸ばしたり、下を向いて過ごす日々でした。
中学卒業後は、なんとか肌の赤みを隠そうとして
毎日色つきの日焼け止めを二重・三重に塗っていました。
で、余計に肌荒れが悪化するという悪循環に。
中学を卒業後は、体調不良時以外は、すっぴんで
過ごしたことはほとんどなかったと思います。
鏡で自分の顔を見るのが苦痛だったし
写真を撮って、隣に映る友人と比べる自分が嫌いだった。
「自分なんて」って自己嫌悪が止められない
自分が大嫌いで、まるで心の中のドロドロが、
そのまま肌に現れたみたいだと感じていました。
当時は、肌を綺麗にする方法がわからなくて
とにかく少しでも赤みをごまかしてくれる
メイク製品、ファンデーションを求めて
お小遣いを化粧品代につぎこみました。
ドラッグストアのメイクコーナーで
何時間もうろうろしていた記憶があります。
周りの友人は、可愛いカラーメイクを楽しんでいたのに
私はメイクを楽しいと思ったことはなく、ただ
メイクで素肌を隠すことに必死でした。
ひどいときは、下地、リキッドファンデ、
パウダーファンデ、パウダー・・・と全て
「色つき」のものを使って何十にも重ね・・・
ベースメイクに1時間かけていた時もありました。
でも、ファンデーションをいくら重ねても
夜メイクを落とせばまた真っ赤な自分の顔があって打ちのめされる。
どんな高機能なファンデーションも
私の心の傷までは隠してはくれませんでした。
肌トラブル迷走期
毎日メイクで肌を隠すことに疲れ果てて、
なんとか肌自体を綺麗にできないか考え始めた頃。
お小遣い、バイト代、お年玉のお金を
ほぼ化粧品に注ぎ込みました。
ドラッグストア、デパートコスメを片っ端から使い
ネット通販、マルチ商法の製品、手作りコスメ。
エステサロンの化粧品、皮膚科での治療や処方薬。
様々なスキンケアアイテムを試したものの、
なかなか改善はしませんでした。
雑誌やTVで紹介されたものを片っ端から試して
肌の綺麗な友人知人に勧められたものを片っ端から試して。
次こそは!と思うのに、全然綺麗にならなくて、また絶望して。
もう何を信じたらいいのか分からなくて・・・。
なんでこんな肌にしたの?と親を恨んでみたり
肌の綺麗な友人に嫉妬の感情を抱いたり
もう一生このままかもと、悲観的になってみたり。
何をやっても綺麗になってくれない自分の肌が憎くて。
でも自分が嫌えば嫌うほど、肌も私を嫌っているように
炎症を爆発させて、まるで反発してくるようでした。
肌は心の状態をうつす鏡
あるとき、友人にこんなことを言われました。
と。自分では無意識でしたが、私はメイクするときに
「肌汚いな」「ニキビ最悪」って言いながらしていたようでした。
その友人には
と・・・。
目から鱗が出るくらい驚きました。
私はその時に、以前、祖母に言われた言葉を思い出しました。
ニキビだらけで俯いて過ごしてた私を「世界一美人だ」って言ってくれた祖母。
ああ、自分の味方になってくれる人っているんだ。
祖母も、友人も・・・いい部分を見てくれる人っているんだ。
それなのに、自分が一番、
自分の文句を言って自分のこと嫌ってるって悲しい。
だからって、一瞬で切り替えられるほど
心は簡単ではないけれど・・・
自分を少しでも好きになること、
自分のいいところを見つけてあげよう。
自分を好きになってあげたい、という気持ちが芽生えました。
いきなり前向きになれたわけではないけれど
前向きになろう、なりたいと思えた瞬間でした。
それから、私はおまじないのように
優しく肌を触るようになり、心の中で前向きな言葉をかけるようになりました。
そうすると、いつもニキビだらけで最悪・・・・
と思っていた肌も、日々調子の良し悪しがあり
毎日少しづつ変化することに気が付きます。
今日は赤みが少ないな。新しいニキビができてないな。
生理前にニキビが増えるな。日焼け後は赤みが増すな。
この化粧品より、こっちの方があってるのかな・・・。
なんとなく、自分の肌の癖がわかるような気がしたのです。
肌を観察して、ケアすることを通して、少しづつ自分の心を
受け入れられるようになっていった気がします。
肌トラブルは自分を知るためのメッセージだった
ある時、アトピーもニキビも良くなるとき
悪くなる時が同じタイミングなことに気が付きます。
当時、まだ皮膚や身体の勉強をしてませんでしたが
肌感覚で気がついたことがあります。
私の場合は、小麦粉・乳製品を
やめたら肌の調子が良くなったこと。
「自分のことが嫌い」など、自己嫌悪をしてるとき
寝不足が続くと肌の調子が悪くなること。
とくに当時の私のアトピー症状は
ストレスや自己否定感が強いときに
症状が重くなっているように感じました。
自分の肌をただ嫌うのではなく、責めるのではなく
肌と向き合うことで、自分の心の状態とも向きあう習慣がつきました。
この頃、完全にニキビやアトピーが改善したわけではありませんが
かなり軽減はして日々のストレスや自分への嫌悪感は減っていき
「肌のせいで」と肌のことを考える時間は減ったように思います。
すっぴんを愛せるようになる
その頃、相変わらずニキビには悩まされていたけれど
少しづつ自分を受け入れられるようになり
とにかく厚塗りで隠すメイクから
メイクを楽しむ、肌以外の部分のフォーカスする
ことができるようになりました。
すっぴんで外を歩く勇気はなかったけれど
すっぴんを見ても引かない友人には恵まれたし
夜、メイクを落ちした時に以前は自分の顔を見て
「化け物みたい」って思っていたのが
毎日丁寧にケアするようになってから
「がんばってるね」「よくなろうとしてくれてるんだよね」って
気持ちで見ることができるようになりました。
まだまだ自分の肌が好きとは思えなかったけど
毎日水をあげてる観葉植物が可愛く見えてくるような・・・
愛着が湧いたような、そんな気持ちでした。
「メイクをしていても、すっぴんでも、私は私だ」
「肌の調子がどうであっても、私は、私」
この顔で、生きてくしかないんだから
嫌うよりは好きになってあげたい。
大好き!までは無理でも、せめて味方になってあげたい。
そんな気持ちでした。
もっと、好きになっていけるように
年齢によって少しづつ変わっていくお肌も
一生脱げない、自分だけのお肌だから
大事にケアして育てていこうと思います。
肌に触れることは、心に触れること。
肌をケアすることは、心をケアすること。
お肌は、常に生まれ変わっています。
綺麗にならない肌はない。
自分にあったお肌ケアを私がサポートしていきます。