人とのトラブルを避けるためには、確かに賢明な考え方です。私自身も、これまでどちらかというとドライな人間関係を築いてきたように思います。深く関わって傷つくくらいなら、最初から一定の距離を保った方が楽だと考えていました。
でも、なぜ私がそのような価値観を持つようになったのか、改めて考えてみました。
たしかに、人と深く関わらなければ、大きく傷つくことはありません。しかし、その一方で、大きな喜びや楽しみも生まれません。心から笑い合ったり、感動を分かち合ったりする経験は、やはり誰かと共にしてこそ得られるものです。
そんなことを考えるとき、いつも思い出すのは学生時代からの友人たちのことです。
私はもともと、自分から積極的に人と関わるのが苦手でした。話しかけるタイミングがわからなかったり、どう振る舞えばいいのか悩んだり。学生時代、そんな私に、少しおせっかいなくらい「一緒にご飯行こうよ!」「ねえ、今日これやらない?」と声をかけてくれたのが人たちがいました。
もしあの時、彼女たちが私に声をかけてくれていなかったら、私はきっと今よりもずっと孤独な人生を送っていたと思います。彼女たちとの出会いのおかげで、私は人と関わることの楽しさや喜びを知り、たくさんの思い出を作ることができました。今も大好きな人たちです。
もちろん、人との関わりの中には、辛いことや悲しいこともあります。時に傷つき、絶望することもあるでしょう。
エステスクールの講師として生徒さんと関わるとき、それを実感します。生徒さん一人ひとりの悩みや目標に寄り添い、成長をサポートするなかで、私自身もたくさんの学びと感動をもらっています。
人の成長が楽しい、嬉しい。それは、人と関わらなければ生まれない喜びだから。生徒さんが成長した先に、生徒さんが関わって幸せになるお客様がいる、それも関わらなければ生まれない喜びや幸せだから。
今感じてるそういう幸せが全部ない人生だったら・・・と思うと、すごく孤独に感じるし悲しいことだから。
基本はドライな人間関係を好んでいる私ですが、「自分にとっての普通」より少し、人を知ろうとしたり、自分を知ってもらうことに積極的でいたいと思っています。
誰かと心を通わせることは、時に勇気が必要です。それでも、その一歩が、未来の自分を形作る大切な扉になるはずだから。