試験は『合否』じゃない。失敗は成長に糧にして欲しいか

人生には、思い通りにいかない瞬間が起こることもありますよね。それは、もしかしたら心を深くえぐり、先が見えなくなるような絶望感を感じるかもしれません。
先日、エステスクールの卒業試験で、ある生徒さんが不合格になりました。彼女はとても頑張り屋で・・・。悔しさとショックで、きっと辛い気持ちだろうなと思います。私も、頑張ってたのを知ってたからお伝えするのが辛かったです。
エステスクールSUHADAの卒業試験は、日本フェイシャルケア協会の認定試験を兼ねています。合格すれば、認定エステティシャンとして確かな証明書が手に入り、自信を持って次のステップに進むことができます。合格率は90%と高い水準を誇っていますが、それでも、10人に1人は悔しい思いをすることになります。
私は、彼女にこう伝えました。「この結果は、決して『ダメ』という烙印ではなくて、ギフトだよ」と。
試験の本当の目的とは?
試験に不合格になることは、たしかにショックですよね。練習を重ねて、万全の準備をして臨んだからこそ、その反動は大きいでしょう。でも、考えてみてください。
例えば、マラソンで目標タイムを設定したとします。ゴールした時に、もし目標に届かなかったとしても、それは無駄な挑戦だったでしょうか? ・・・違いますよね。
そのタイムは、次の挑戦のために「どこを改善すればいいか」「そのためにどんな練習をしたらいいか」を教えてくれる、貴重なデータになります。
体力なのか、フォームなのか、ペース配分なのか……。明確になった課題をクリアすることで、次は目標を達成できる可能性が上がります。試験も同じです。不合格という結果は、自分の弱点を浮き彫りにする、羅針盤のようなもの。
「この技術がまだ足りない」「この部分の知識が曖昧だった」……。そういった課題が明確になることで、何をすれば成長できるのかが、はっきりと見えてくるのです。
なぜ、「この失敗」が人生の財産になるのか
エステティシャンとして独立・開業した時、あるいはサロンで働き始めた時を想像してみてください。
お客様は、あなたの施術や接客に満足できなければ、「もう来店しない」という形で、静かに去っていきます。ほとんどの場合、なぜ来なくなったのか、直接教えてはくれません。
これは、サロン経営においては致命傷になります。自分の何が良くなかったのか分からないまま、ただ、お客様が離れていく。その孤独な状況は、この上ない恐怖です。
スクールにいるうちは、私たちがあなたの技術やカウンセリングを客観的に見つめ、「ここが課題だよ」と明確に指摘することができます。卒業後もグループや個別レッスンに参加すれば、もちろん課題をお伝えできます。例えば・・・
・お客様への声かけのタイミング
・手の動きの滑らかさ
・お客様を安心させる空間づくり
日々の業務に追われるサロンでは、同僚や先輩があなたの技術をじっくり見て、フィードバックし合う環境は、残念ながら多くはありません。だからこそ、スクールにいる今のうちに「自分の弱点や癖」と向き合うことが、何よりも大切なのです。やることは、たくさんあります。落ち込んでる時間はないです。
挫折を、「最高のお客様」に出会う準備期間に
私が、このコラムを書いたのは、誰かに「失敗してよかったね」と軽々しく言いたいわけではありません。
不合格という結果を、ただの挫折で終わらせてほしくないのです。
試験で得た「成長のヒント」を活かし、次の試験で確実に合格する。それはもちろんですが、もっと大切なことがあります。
「あの時、悔しい思いをしたからこそ、今の私がある」と、いつかあなたが胸を張って言える日が来ることを信じています。
偉そうに言ったけれど、私はエステの専門学校時代、学校の中間・期末試験に落ちて、まさかの追試も落ちたりしました。技術も筆記も。でも、だからこそ猛勉強したし、そのおかげで国際試験は一発合格。
そして、合格して終わりではありません。そこからお客様をお迎えする、本当の、本番が始まります。
失敗は、成功への道しるべ。
この経験を、未来のあなたを輝かせるための糧として、共に歩んでいきましょう。
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執筆者

永松麻美(ながまつあさみ):東京都世田谷区(下北沢)でエステサロン&スクールSUHADAを運営してるオーナーエステティシャン・エステ講師。サロンは12年目。初心者からエステサロン開業を目指すための技術・知識スクールを運営、卒業生の開業・経営サポートにも携わっている。美容家としてTV・ラジオ・雑誌の美容記事監修・執筆、化粧品や美容アイテムの監修メディア出演もしている。著書に「シワとりパーフェクトブック」「正しい知識がわかる 美肌事典」「キレイかどうかは自分で決める」「表情筋ほぐし」がある。