美容医療とエステ、どっちがいい?「対立」ではなく「共存」が最強の美肌ルートである理由

ここ数年で、美容医療が本当に身近な存在になりました。シミ取りレーザーやハイフ(HIFU)、ボトックス注射など、クリニックでの施術が特別なことではなく、当たり前の選択肢となっています。
そんな中、これからエステを学ぼうとしている方、あるいは現在サロンを経営されている方から、こんな不安の声をよく耳にします。
お客様からも「クリニックとエステ、どっちに行けばいいの?」と聞かれて、言葉に詰まってしまうこともあるかもしれません。
この記事では、エステサロンを14年間経営してきた現役オーナーの視点から、「美容医療全盛期におけるエステティックの役割と可能性」について、きれいごと抜きでお話しします。
この記事を書いた人 永松 麻美(ながまつ あさみ)

エステティック歴17年、東京・下北沢のエステサロン「SUHADA」オーナー(経営14年目)、エステスクール運営8年。現場で培った豊富な経験と、解剖生理学・皮膚科学に基づいた指導で、未経験者からプロのエステティシャンを多数育成している。
クリニック全盛期。「エステはもう不要?」という不安
揺らぐ自信、現場のリアルな悩み
そんな風潮を肌で感じ、エステティシャンとしての自信が揺らいでしまう。そのモヤモヤした気持ち、痛いほどよく分かります。
私も東京・下北沢で14年間サロンを運営する中で、お客様の美容に対する意識が変化していくのを目の当たりにしてきました。以前はエステに通っていたお客様が「これからはクリニックでシミを取ることにした」と仰ることも、一度や二度ではありません。
その度に「私の技術が足りなかったのか」「エステはもう古いのか」と悩んだ時期もありました。
しかし、多くの経験を経てたどり着いた結論は、「エステ vs 美容医療」という対立構造で考える必要は全くない、ということです。
「対立」ではなく「共存」。最強のパートナーシップ
美容医療は「外科手術」、エステは「リハビリ・メンテナンス」
私の結論をお伝えすると、「美容医療が普及すればするほど、エステティシャンの重要性はむしろ増していく」と考えています。
なぜなら、両者は得意分野が全く異なるからです。分かりやすく例えるなら、このような関係性です。
外科手術をした後、リハビリをしなければ機能は回復しませんし、日々の健康管理を怠ればまた病気になってしまいますよね。肌も全く同じです。
お客様は効果だけを求めているわけではありません。痛みやリスクを嫌う方や、気持ちよさや癒しを求める方、さまざまです。医療には医療のメリット、そしてエステにはエステのメリットがあります。
これからのエステティシャンに求められる「3つの役割」
クリニックで強い施術を受けた後の肌は、非常にデリケートな状態です。ここで適切なケアができるかどうかが、その後の美しさを左右します。
これからのエステティシャンには、美容医療を敵視するのではなく、正しい知識を持って共存し、お客様をサポートすることが求められます。具体的には、以下の3つの重要な役割があります。
1. 施術前の「土台づくり」
クリニックでの施術効果を最大限に高めたり、術後のダウンタイムを最初限にするには、肌の土台が整っていることが重要です。事前にエステで保湿力を高めたり、日々のケアを徹底することでレーザーの反応が良くなったり、ダウンタイムが軽く済む場合があります。
2. 施術後の「鎮静・保湿ケア(ダウンタイムケア)」
レーザー治療などで熱ダメージを受けた肌は、軽いやけど状態にあり、極度の乾燥状態に陥ります。ここでエステティシャンが、プロの手技と化粧品で徹底的な鎮静と保湿を行うことで、肌の回復を強力にサポートできます。(※施術直後は医師の指示に従う必要があります)
3. 次の施術までの「維持管理」
美容医療の効果は永久ではありません。次の施術が必要になるまでの期間、いかに良い状態をキープするかが重要です。定期的なエステで肌代謝を上げ、老化のスピードを緩やかにすることで、美容医療の効果を長持ちさせることができます。
知識があれば、エステティシャンは最強の相談相手になれる
「エステか、医療か」ではなく、「エステも、医療も」上手に使いこなす時代です。
お客様が本当に求めているのは、「私の肌にとって、今ベストな選択は何か」を親身になって一緒に考えてくれる専門家です。
皮膚理論を深く理解し、美容医療の知識も持っていれば、「今そのレーザー治療を受けたばかりなら、サロンではこの鎮静パックをしましょう」「来月クリニックに行く予定なら、今月は肌の土台力を上げておきましょう」といった、的確なアドバイスができるようになります。
そんな「頼れる肌の相談役」こそが、これからの時代に求められるエステティシャン像ではないでしょうか。
SUHADAのスクールでは、解剖生理学に基づいた皮膚理論を徹底的に学ぶため、自信を持ってお客様の「美肌計画」をサポートできる力が身につきます。